BATTERY IMPACT CHECKER

事業所向け蓄電池 影響診断

蓄電池のデマンドカットが高圧の基本料金にいくら効くか、消防への届出はかかるかを、公表データにもとづき並列で診断します。 本診断は旧一電の公表単価にもとづく参考値です。契約電力の低減幅は設備・操業実態により、届出要否の最終判断は所轄消防署により決まります。

蓄電池・キュービクルの消防届出制度の解説 →

入力条件

デマンド削減目標(何kW下げるか)は設備・操業実態によって決まるため、ご自身の想定値を入力してください。 導入予定容量が未入力の場合は、削減目標×ピーク継続時間の下限値で届出判定します。

① 高圧料金への効果(基本料金の削減)

契約電力 100kW → 90kW(−10kW)。 使用量は不変の前提=電力量料金は変わらないため、下記は確実に言える基本料金側の削減のみです。

適用料金現在の年額削減後の年額年間削減額削減率
標準メニュー(エリア最安)
関西電力 / 高圧電力AS出典
6,094,236円5,899,232円195,004円3.2%
最終保障電力A
関西電力送配電 / 最終保障電力A出典
7,433,592円7,158,292円275,300円3.7%
必要出力の下限(=削減目標)
10 kW
必要容量の下限(×ピーク2h)
20 kWh

下限は定義値(kW×h)です。実効容量・経年劣化・充放電効率を見込むと、実際にはこの下限より大きい機器が必要になります。

高圧500kW未満の契約電力は、一般に過去1年間(その月と前11ヶ月)の最大需要電力で決まります(関西電力の公表資料で確認・取得 2026-07-20)。このためピークカット達成後、契約電力が下がりきるまで最大12ヶ月かかり、初年度は満額にならない場合があります。

② 消防届出チェック

判定容量: 20 kWh(必要容量の下限で判定) / キュービクル全出力は契約電力(100kW)で仮判定しています。全出力は通常これを上回るため、正確には設備銘板の値で確認してください。

  • 非該当蓄電池設備の設置届出(火災予防条例)

    10kWh超〜20kWhは消防法令またはJIS C 4412等適合(出火防止措置)で対象外・10kWh以下は規制対象外(対象火気省令 2024/1/1 改正)

    出典1出典2

  • 該当変電設備(キュービクル)の設置届出

    全出力20kW超で設置届出対象(高圧受電なら通常既届出済み。増設・改設時は再届出)

    出典

  • 要確認危険物施設としての規制(大規模のみ)

    数百kWh級の大規模設備は危険物規制(電解液の指定数量)の対象になる場合があります。規模・製品仕様により所轄消防署への個別確認が必要です。

    出典

閾値は東京消防庁の公表基準です。火災予防条例は自治体ごとに制定されるため、条番号や運用は異なります。最終判断は所轄消防署で確認してください。

同じオーナーが負う3つの制度は別物です

  • 火災予防条例の設置届出(この診断の②): 蓄電池・キュービクルなど発火源設備の設置に対する届出・技術基準
  • 消防用設備の点検(消防法17条の3の3): 建物の用途×延べ面積×収容人員で決まり、蓄電池の有無とは無関係 → 消防ナビ(義務判定チェッカー)
  • 電気事業法の保安点検: キュービクルの保安管理委託(受電容量 kVA 基準・契約電力 kW とは別の値)→ 保安委託料の相場チェッカー

③ 価格水準の参考情報(実勢レンジではありません)

産業用蓄電池はメーカーの希望小売価格がほぼ公表されておらず(2026-07-20時点の実査)、実勢価格レンジと回収年の自動算出は行っていません。 代わりに、国の補助事業・審議会資料が示す価格水準を「どういう性質の数字か」を明示して掲載します。実際の価格は個別見積で決まります。

価格水準kWh単価範囲・税数字の性質出典
国の補助事業の目標価格(これを超えると申請不可の上限)
令和7年度補正 SII 業務産業用蓄電システム導入支援事業 公募要領の「2025年度目標価格 11.9万円/kWh(蓄電容量)」。小規模(PCS100kW未満)・大規模(100kW以上)とも同額
11.9万円/kWh設備費+工事費・据付費・税抜補助事業の申請上限価格source
2026-07-20
補助事業実績の平均システム価格(2023年度)
2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会とりまとめ(2025-03-07)。推計対象11案件と限定的である旨の留保付き
10.6万円/kWh工事費込み補助事業データの推計平均(11案件・海外製セル含む)source
2026-07-20
容量100kWh未満の実績(2023年度・設備費のみ)
容量が大きくなるほどkWh単価は低減(100kWh未満と1,000kWh以上で倍近い差)
14.8万円/kWh設備費のみ(工事費は別途 平均3.1万円/kWh)補助事業データの容量区分別推計source
2026-07-20
容量1,000kWh以上の実績(2023年度・設備費のみ)
7.2万円/kWh設備費のみ(工事費は別途 平均1.0万円/kWh)補助事業データの容量区分別推計source
2026-07-20
補助事業を使わない場合の実勢水準(事業者ヒアリング)
単一の点ではなく「〜程度の水準となるケースもある」という定性的ヒアリング値
20.0万円/kWh工事費除く審議会の事業者ヒアリング(「20万円/kWh程度の水準となるケースもある」)source
2026-07-20
2030年度の目標価格(国の検討会が設定)
分散型エネルギー推進戦略WG 第2回 資料4(2026-03-06)。現時点の実勢ではなく将来目標
6.0万円/kWh工事費込み2020年度定置用蓄電システム普及拡大検討会が設定した将来目標source
2026-07-20

補助金(参考・公募状態に注意)

補助金は年度で公募・終了が入れ替わるため、本診断の計算には含めていません。最新の公募状態は必ず公式ページで確認してください。

  • 補助金基準額3.75万円/kWh(蓄電容量・1台あたり)×補助率1/3以内、上限1,500万円/申請。評価項目(レジリエンス・広域認定等)該当で最大+0.2万円/kWh上乗せ

    対象: PCS合計出力100kW未満・高圧以上の需要側(工場・ビル等)設置・DR対応が要件。公募期間2026-03-24〜2026-10-30(予算到達で早期終了あり)。購入価格が目標価格11.9万円/kWh(設備費+工事費・税抜)を超えると申請不可(確認日 2026-07-20

  • 補助金基準額3.95万円/kWh(蓄電容量・1台あたり)。補助率: LiB(定格出力合計100kW以上かつ6時間容量未満)1/2以内・LDES(レドックスフロー等)2/3以内。補助金限度額なし

    対象: PCS合計出力100kW以上・高圧以上の需要側設置・DR対応が要件。1次公募2026-03-24〜2026-05-29(交付決定7月下旬予定)。申請・採択状況により追加公募(2次)の可能性あり。目標価格11.9万円/kWh以下が申請要件(確認日 2026-07-20

計算に含めていないもの

ピークシフト(電力量料金側の効果)・非常用電源(BCP)価値・デマンドレスポンス参加収益は本診断の計算に含めていません。前提データが事業所ごとの個別性に依存するためです。また、産業用蓄電池の価格はメーカー公表値が揃っておらず個別見積が中心のため、回収年の自動算出は行っていません(上の価格水準はいずれも実勢レンジではありません)。

高圧料金そのものの見直しとあわせて相談できます

デマンドカットの前に、いまの契約単価が標準メニュー比で高くないかを確認すると、投資ゼロの削減余地が先に見つかることがあります。 入力した条件(エリア・契約電力・使用量・想定容量)は相談フォームに引き継がれます。